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閉塞性動脈硬化症・バージャー病について

閉塞性動脈硬化症・バージャー病。
この難病と闘っている患者さんのために、「血管再生療法」の研究が進められています。

運動療法や薬物療法などさまざまな治療をしても、足の痛みや潰瘍が思うように良くならない。
そんな重度の閉塞性動脈硬化症・バージャー病でお悩みの皆様のために、血管再生療法という先端医療の研究が進められています。
まだ未承認の治療法ですが、有効性や安全性の確認段階である臨床試験という形態で実施されており、中には厚生労働省が定める先進医療として認められているものもあります。
血管医学研究推進機構では、血管疾患に係る新規治療法の早期開発に向けた活動を支援しています。
既存の治療法で十分な効果が得られない閉塞性動脈硬化症・バージャー病でお悩みの方に、血管再生療法の存在を知っていただきたいと考えています。

閉塞性動脈硬化症とは?

主に足の動脈に動脈硬化が起こり、狭くなるか詰まるかして、足を流れる血液が不足し、それによって痛みを伴う歩行障害が起きる血管病です。
初期の症状は、足の冷感やしびれです。進行すると、ある一定の距離を歩くとふくらはぎや太ももが重くなってきたり、痛みを感じたりするようになります。ひと休みするとおさまり、再び歩くことができます。このような状態は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれています。
さらに、安静時にも痛みが現れるようになり、靴ずれなどがきっかけで足に潰瘍ができ、時には壊死(えし)に至ります。重症となる場合は、足を切断しなければならない場合もあります。


バージャー病(Buergre)とは?

閉塞性血栓血管炎とも呼ばれ、主に足の動脈に閉塞性の血管全層炎を起こす血管病です。
発症原因は、いまだ不明とされています。症状は、閉塞性動脈硬化症と同様とされています。


@遺伝子治療について

遺伝子治療とは、遺伝子から発現するたんぱく質の働きにより、病気を治す治療法です。この遺伝子は、ベクターという遺伝子を体内の細胞に導入する運び屋に組み込まれ、病気の原因となる部分に直接投与されます。
また、患者さんから細胞を採取し、体の外で遺伝子を細胞内に導入し、患者さんの体内に戻すという方法もあります。
遺伝子治療は、先天的(せんてんてき)な遺伝子疾患をはじめ、がんやエイズなどのさまざまな難病への治療法の一つとして期待されています。
なお、遺伝子治療とは、遺伝を担う精子や卵子などの生殖(せいしょく)細胞(さいぼう)を操作して遺伝に影響を与えるものではありません。


A下肢の虚血治療について

薬物療法や血行再建術においても治療に抵抗性な場合においては新たな治療法の開発が望まれています。既存の治療ではできない方法で血流を再建できる新しい治療方法として再生治療が注目されています我々の体内にも存在する血管の幹細胞を用いた細胞治療や、血管の再生を促す遺伝子治療などがあげられます。
さまざまな大学機関で新しい治療が開発され実際に患者さんに治療が提供できるまでになった施設もあります。
順天堂大学においてはCLI の患者さんに対して採血のみでできる低侵襲・高効果である新しい血管・組織再生治療を臨床研究として提供しています。

B再生医療について

再生治療は、傷んだ臓器や組織すなわち血管や心臓、肝臓、神経などを、細胞や遺伝子を使って文字どおり再生させる治療で、これまでのお薬や外科の治療では実現出来なかった病気への全く新しい高度専門医療です。細胞による再生治療には臓器や組織のもととなる細胞が使われます。
このような細胞は幹細胞と呼ばれ、各臓器や組織の中にあるとされていましたが、最近、幹細胞が骨の骨髄の中にもあることが明らかにされました。

1)骨髄(単核球)細胞移植
血管再生細胞を含んでいる骨髄の細胞群を移植する治療で、医療費・医療技術の簡便性の点で優れた治療法です。
現在では、下肢虚血性疾患・虚血性疾患に対して数施設で先進医療として治療を受けることが出来ます。

2)末梢血(単核球)細胞移植
血管再生細胞を含んでいる血液の細胞群を移植する治療で、医療費・医療技術の簡便性の点で優れた治療法です。現在では、下肢虚血性疾患に対して数施設で先進医療として治療が進められています。さらにGSCF というお薬で血管再生細胞の数を増やして末梢血液を採取して治療する臨床研究も、数施設で治療が進められています。

3)血管再生細胞(EPC )移植
血管再生細胞(CD34 あるいはCD133 マーカー陽性の細胞)だけを集めて移植する治療を進めています。医療費・医療技術の簡便性では劣りますが、治療効果の高さでは、世界の中でも注目を集めています。神戸の先端医療センターを中心に治療が進められてきましたが、現在は治験の準備段階です。

4)培養末梢血(単核球)細胞移植
血管再生細胞を増やすための細胞培養法を末梢血液細胞に応用したもので、質の高い細胞を簡便に利用して治療出来る点で注目されています。培養技術は東海大学で開発され、難治性潰瘍の患者さんに対して順天堂大学形成外科で臨床研究が始まっています。

5)血管新生遺伝子治療
血管を再生するメカニズムを応用した遺伝子治療が日本で開発されました。
血管新生因子の遺伝子製剤を用いた血管再生治療で、現在は下肢虚血性疾患に対して大阪大学を中心に6つの施設で先進医療として治療を受けることが可能です。

6)間葉系細胞移植
骨髄あるいは他の組織から採取できる間葉系(幹)細胞による移植治療です。血管新生誘導作用を利用した治療方法で、自分から採取する場合と、他人の細胞を利用した製品の場合とあります。現在は自家間葉系細胞治療の臨床研究が数施設で進められています。


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