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NPO法人血管医学研究推進機構

患者様からの質問編:「全国先進医療や自由診療で受けられる再生治療、保険適用で受けられる再生医療を知りたいです」

第4回のマナビラボでは再生医療が対象とする病気について、開発中のもの、そしてすでに厚生労働省に承認されて保険適用されている治療法について学びました。今回は、保険適用、自由診療、先進医療について、それぞれの再生医療がどのようなもの、そしてどこで受診できるかを紹介します。

再生医療を希望する場合にお願いしたいこと

このマナビラボの連載では、再生医療がこれまでに治療が難しかった病気やケガの治療が可能となる新しい治療であるとして、そのすばらしさを伝えてきました。たしかに再生医療はすばらしい治療ではありますが、すべての症状に適用できるわけではありません。保険適用の治療の場合、その対象となる症状は厳密に決められていますし、症状に当てはまる場合も、再生医療以外の治療法の方が適する場合もあります。そのため、再生医療による治療を希望する場合でも、必ず担当の医師の判断に従った治療を受けることをお願いします。

保険適用の再生医療

manabilabo1保険適用となっている再生医療は、2020年7月現在、9品目あることを第4回のマナビラボで紹介しました。それらの中でも、この記事を読んでくださっているみなさんがもっとも知りたいのは、血管再生治療の「コラテジェン」ではないでしょうか?
コラテジェンは『標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善』を対象として、保険適用となっています。ただし、治療実施の条件として『重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設』で行うことが定められています。
治療を希望する場合は、まずは日頃治療を行ってもらっている担当の医師に相談した上で、治療を実施できる医療機関を紹介してもらうようにしてください。

自由診療の再生医療の注意点

保険適用にはなっていませんが、自由診療(自費診療)で受けることのできる再生医療もあります。前回のマナビラボでも述べましたが、再生医療を自由診療として行う際には、「認定再生医療等委員会」(治療法によっては「特定認定再生医療等委員会」)という専門家から成る委員会の承認を受ける必要があります。実は約10年前に、自由診療として幹細胞投与を受けた患者さんが亡くなるという事故がありました(投与した細胞が肺の血管に詰まったことが原因とされています)。そのため、こうした事故を防ぐために2014年11月に「再生医療等安全性確保法」が施行され、その中で自由診療は認定再生医療等委員会の承認を受けることが義務化されています。実際に、2020年1月に承認を受けず無許可で再生医療が行われ、幸いなことに患者さんの健康に被害はありませんでしたが、行った医師が逮捕されるという事件が起こっています。
ただし、この委員会では治療の内容、特に安全性については厳しくチェックされるものの、必ずしも有効性を保証するものではありません。治療を受けるかどうかは、医師の説明をよく聞いた上で慎重にご判断ください。

自由診療の再生医療を受診できる医療機関

自由診療として再生医療の治療を受けることができる医療機関は、再生医療学会が開設している「再生医療ポータル」から検索することができます(必ず「ご利用いただく前に」をお読み頂いてからご利用ください)。
このサイトでは、再生医療についての自由診療や臨床研究を提供している医療機関を、地域,治療法,治療部位などの条件を指定して検索することができます(保険適用の治療の検索はできません)。
例として、血管の再生医療の治療を受ける場合の検索を見てみましょう。まず下の図の赤丸の部分で、「血管」と「治療」を選択します。その他の箇所は特に選択する必要はなく、空欄のままで大丈夫です。
manabilabo2選択が終わったら、「この条件で検索する」の青のボタンをクリックすれば、下の図のように検索結果が表示されます。今回は地域の選択をしませんでしたので全国の医療機関が表示されますが、地域を選択することで、お住いの地域の医療機関に絞って検索することもできます。
manabilabo3今回の例では選択しませんでしたが、診療科や治療法の選択、また病名を入力しての検索もできますので、ご自身の目的に合った医療機関を探してみてください。

ひとつ注意点としまして、再生医療学会および当機構からこれらの医療機関の紹介はできませんので、お問い合わせの際は各医療機関に直接問い合わせて頂くようお願いします。

先進医療の再生医療

最後に先進医療の再生医療を紹介します。先進医療とは、厚生労働省の認可を得て、保険適用外である高度な医療技術について、将来的な保険導入のための評価(治験の実施に進めるかどうかの判断)をすることを目的に提供される、臨床試験としての医療です。そのため、治療効果が保証されている治療ではありません。また、治験と違い治療費は患者さんの負担となり、対象となる医療技術は自由診療となりますが、保険診療の併用が認められています。
どのような先進医療が行われているかは、厚生労働省のサイトの技術の概要実施医療機関で確認することができます。これらのサイトでは検索はできませんが、2020年7月1日現在、血管疾患関連では下記の先進医療が実施されています。
manabilabo4これらの先進医療についても当機構から紹介することはできませんので、治療に興味がある場合は、日頃治療を行ってもらっている担当の医師に相談してみてください。

今月の学び

現在、「保険適用」「自由診療」「先進医療」としてそれぞれ受けることのできる再生医療があり、再生医療学会や厚生労働省のサイトで調べることができます。これらの再生医療は、普段治療を担当している医師への相談や、実施医療機関へ問い合わせをし、再生医療治療担当医師の説明をよく聞いた上で受けてください。
これらの再生医療が、みなさんの健康に貢献することを願っています。